梅干し あれこれ その2

「梅干」と「調味梅干し」

近年市販されている減塩調味を施した「調味梅干し」。

これは法的に、元来の「梅干し」と区別されています。JAS法は、

伝統的製法で製造された梅干を「梅干し」、調味された梅干を

「調味梅干し」と表示するよう、義務付けしています。

「調味梅干し」とは?

白干し*した梅干しを水につけて塩抜きして、味付けしたものです。

*白干・・・梅を塩漬けした後、3日程日干し(土用干し)たもの

味付けによって、昆布梅、かつお梅、はちみつ梅などがありますが、

還元水飴、発酵調味料、たんぱく加水分解物、アミノ酸、野菜色素

ビタミンB1、酸味料、甘味料(ステビア、スクラロース)など

多量の添加物が使われていることが多いです。

戦後製造され始め、五訂日本食品標準成分表によると、塩分が

「梅干し」は22.1%、「調味梅干し」は7.6%と、減塩という意味

では良いのですが、クエン酸などの有効成分が失われ、保存できる

期間も半年くらいと、短いです。

一方の伝統的「梅干し」はクエン酸が豊富で、ご存知のように大変長

持ちし、土蔵など適した場所に保管されていたものは、100年前のもの

でも食べられます。

現在最古のものは、奈良の中家に伝わる天正4年(1576年)に

漬けこまれたもので、良好に保存されているそうです。

調味料としての梅干し

醤油が関東に広がるのは江戸中期以降で、それまでは、梅干しを

日本酒で煮詰めた「煎り酒」が、「垂れ味噌」*とともに、

調味料として広く使われていました。

*垂れ味噌・・・味噌に水を加え煮詰め、袋でこして滴らせた汁で

煮物などに使われた。

現在でも、マクロビオティックなど自然食系の方たちの間では

体にいい梅酢を積極的に調味料として使用したりしています。

梅干し婆さん

中世日本の民間療法に、こめかみに紙片にはった梅干しをはると

頭痛・癇癪に効くというものがあります。

少し前まで、舞台や漫画などでもよく見かけられ、「梅干し婆さん」

と言われたりしました。

[番外編]

「梅干しの種飛ばし大会」

福島県会津美里町では、「高田梅種とばし選手権世界大会」が

開催されていて、高田梅種とばし世界記録は、14m86だそうです。

梅干し体操

特養老人ホームで、「梅干し体操」という体操をされているところ

があるそうです。

明治~大正にかけて尋常小学校の国語の教科書に掲載されていた

「梅干しの歌」に合わせてする体操で、アニメにもなっています。

「何升、何合はかり売り~♪」という歌詞が出てきますから、

やはり戦前に作られたのですね。

かわいい梅干し達が主人公のアニメ体操ですから、ご興味のある方は

YouTubeでも、ご覧になってみて下さいね。

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